趣のある町並み又は個性豊かで洗練された生活文化の保全及び継承を効果的に進めるため,個別の建物や区域を京都市が指定する条例です。京都の町並み、歴史・文化の象徴である京町家を、建物としての視点だけではなく四季折々の自然を感じる生活文化など、暮らしの美学や生き方の哲学が凝縮されていると定義しています。
当館は、築約100年の高二階と言われる非常に天井が高い京町家です。明治末期から昭和初期にかけて建てられた総二階の町家は、2階の天井を高くし、居住用として使われるようになりました。時代の流れとともに、虫籠窓からガラス窓に変化する中で、天井の高さもより高いものが現れました。高二階とは、総二階様式の中で、天井の高さの区別をするために用いられた呼称であり、高二階に対して低二階があるとされています。
外観は漆喰とべんがらのコントラストが美しく、館内は明治~昭和初期の家具や調度品が揃えられており、レトロモダンな雰囲気をお楽しみいただけるギャラリーです。建物としての存在を示しながらも、作品の世界観を見事に空間に作り出し、見る人にとって、特徴ある、思い出深い展示会となることでしょう。