京都市個別指定京町家
当館は、築約100年の高二階と言われる非常に天井が高い京町家す。明治末期から昭和初期にかけて建てられた総二階の町家は、2階の天井を高くし、居住用として使われるようになりました。時代の流れとともに、虫籠窓からガラス窓に変化する中で、天井の高さもより高いものが現れました。高二階とは、総二階様式の中で、天井の高さの区別をするために用いられた呼称であり、高二階に対して低二階があるとされています。
外観は漆喰とべんがらのコントラストが美しく、館内は明治~昭和初期の家具や調度品が揃えられており、レトロモダンな雰囲気をお楽しみいただけるギャラリーです。建物としての存在を示しながらも、作品の世界観を見事に空間に作り出し、見る人にとて、特徴ある、思い出深い展示会となることでしょう。

見世の間
一歩店内に入れば、漆喰の白壁にべんがらの黒い柱、町家のもつ華奢で楚々とした雰囲気と、外とは別世界の涼しさを感じて頂けることでしょう。ここは京町家の『店(見世)の間』にあたる場所です。商いの部屋として使われてきました。中央の蔵の戸で作ったテーブルは、展示会でのディスプレイ台としてご利用頂けます。当ギャラリーの見世の間は土間になっておりますので、靴をぬがずにご利用頂けます。
囲炉裏の間
見世の間からもう一歩奥へ入ると、囲炉裏をご利用頂けるスペースがございます。10月から4月の間は、炭をおこすことも可能です。鉄瓶にかけたお湯をご利用頂けますので、お客様とのご歓談やご商談の場としてもご利用くださいませ。普段とは違う雰囲気の中で、お客様との楽しいひとときをお過ごしください。囲炉裏は蓋を閉めることができますので、囲炉裏をご利用にならない場合や春〜夏にかけての時期は、ディスプレイ台としてもご利用頂けます。自在鉤に花籠などを吊って使うことも可能です。
京間
奥の間にあたる6帖の京間。違い棚の付いた床の間、隣接する坪庭の空間が、お部屋をゆったりと感じさせてくれます。こちらのお部屋は展示会やイベントの控え室、お客様とのご商談、おくつろぎの場としてのみのご利用となります。仕出し弁当のお手配も可能ですので、遠方からのお客様とゆったりとしたひと時をお過ごしいただけます。
坪庭
職住一体型の京町家の、店部分(母屋)と住居(離れ)の真中に位置する坪庭は、ウナギの寝床と呼ばれる細長い京の町家に、光と風を取り込みます。坪庭によって冷やされた空気は、自然の冷房とも言え、京町家は暮らしの工夫そのものです。そのように、昔の人々の知恵に想いを巡らせながら、町家を見るととても面白いですよ。坪庭を見ながら、ゆったりとした時間をお過ごし頂ければと思います。
火袋・通り庭(給湯室)
火袋は、京町家にある吹き抜けのことを言います。土間全体を通り庭と言い、通り庭の一番奥にある炊事場、この上にある空間のことを言います。火がまわりに燃え移っても、火は吹き抜けを通って上にあがるため、広がる事はありません。そのように、火を閉じ込める事から火袋と呼ばれるそうです。当館ではこの火袋のあるスペースが給湯室となっております。冷蔵庫がありますので、お飲物を用意などにご利用ください。
董(とう)とは
皆様を一番最初にお迎えする軒灯看板と暖簾にもたくさんの想いがこもっています。『董』には『古きをただす』『芯となる大切なもの』という意味があります。古き佳きものを大切にしていきたいという想いを込めて名付けました。軒灯看板は100年ほど前のものをリニューアルしたものです。主に銅で作られており、風雨にさらされ、年月を重ねるごとに緑翔し、その風合いもますます重みが出てきます。暖簾は一つ一つの工程が手作業です。京町家ぎゃらりぃ董の文字に命を吹き込む職人技が光ります。
設備・間取り
【 設備 】冷蔵庫・ティファール・茶托・お盆
【 ディスプレイ備品 】置き型スポットライト6個・クリップ式スポットライト2個・皿立て